[アップデート] QuickSight の閾値アラートがテーブル/ピボットテーブルでも利用出来るようになりました
いわさです。
QuickSight ダッシュボードには閾値アラートという機能があります。
ダッシュボードに表示されるメジャーの値に任意の閾値を設定し、それを超えたタイミングでメール通知を行うことが出来ます。
この機能はこれまでは KPI ビジュアルとゲージビジュアルの 2 種類でのみ利用が出来ました。
しかし、先日のアップデートでテーブルビジュアルとピボットテーブルビジュアルでも閾値アラートが利用出来るようになりました。
今回は実際に簡易的なダッシュボードを作成して閾値アラートをテーブルビジュアルに設定してみましたので設定方法や送信メールなどのイメージを紹介したいと思います。
閾値アラート機能は QuickSight Enterprise Edition でのみ利用可能です
事前準備
閾値を跨ぐ前後で動きを確認したいのでデータセット更新のしやすそうな S3 取り込みをデータソースとして使いました。
以下のCSVファイルを S3 バケットへアップロードします。
hoge1,hoge2,hoge3 A,1,100 A,2,100 B,1,100 B,2,100
データセット定義で以下のマニフェストファイルを使用します。
{ "fileLocations": [ { "URIs": [ "https://hoge0323qs.s3.amazonaws.com/hoge0323.csv" ] } ], "globalUploadSettings": { "textqualifier": "\"" } }
ここからデータセットと分析を作成し、さらにダッシュボードを作成します。
ここまでで、次のようにテーブルビューのダッシュボードを作成することが出来ました。
閾値アラートの作成方法
まず、閾値アラートは閲覧者のための機能で、ダッシュボードで閲覧者ごとに設定するものとなります。
アラートの作成方法は 2 つあります。
1 つはテーブル上でセルをクリックした際に表示される「アラートを作成」を選択します。
もう 1 つの方法はビューのメニューから「アラートを作成」を選択後に、テーブルの追跡対象セルを選択します。
追跡対象セルが選択されると次のように閾値の条件や通知タイミングを設定します。
条件に関しての選択肢は少なめで、「超える」「未満」「等しい」のみとなっています。
また、カスタム条件や複数セルを組み合わせた複合的な条件なども設定は出来ず、シンプルな数値の閾値のみとなっています。このあたりは KPI と同じですね。
設定したアラート一覧はトップのアラートアイコンから確認や編集操作を行うことが出来ます。
また、個別に有効・無効を切り替えることが可能なので、事前に作成しておいて必要なタイミングだけ有効化するという使い方ができます。
閾値アラートの通知内容
閾値アラートを発生させるにはテーブルの値を更新する必要があります。
今回であれば次のように S3 上に更新した CSV をアップロードし、データセットを更新します。
hoge1,hoge2,hoge3 A,1,100 A,2,100 B,1,100 B,2,200
分析やダッシュボードを見てみると、テーブルのセルが更新されたデータセットの内容で表示されていることが確認出来ましたね。
先程アラートで B の hoge3 が 250 より大きい場合を閾値として設定しました。
アラートメール受信
アラート設定で指定したメールアドレスへ通知メールが送信されていると思います。
追跡対象の値がどの時点でどの値になったかが情報として含まれています。
なお、レポートメールと異なりこの閾値アラートの通知内容のフォーマットは変更が出来ません。
アラートごとにメールは送信される
テーブルということもあり、複数のセルに複数のアラートを設定することが出来ます。
そこで試しに複数のアラートを設定し、アラートメールが集約されるのか気になったので確認してみました。
こちらの結果ですが、次のようにそれぞれ個別のメールとして送信されていました。
アラートごとにメールは送信されるという点を覚えておきましょう。
さいごに
本日は QuickSight の閾値アラートがテーブル/ピボットテーブルでも利用出来るようになったので確認してみました。
CloudWatch などのアラートや通常のレポートメールと比較すると、閾値の設定やフォーマットなどかなりシンプルな設定のみが可能となっています。
ただ QuickSight 閲覧者が利用出来る機能はかなり少ないので、少しでも利用出来る機能が増えるのは嬉しいと思います。運用ダッシュボードでテーブルやピボットテーブルをご利用の方は活用してみてください。